住民税決定通知書の見方2026|6月に届くあの紙でチェックすべき項目と副業がある人の注意点
毎年6月に届く住民税決定通知書、読まずに捨てていませんか。ふるさと納税の反映確認、控除の取りこぼしチェック、副業がある人の注意点まで見方を整理しました。
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毎年6月頃、会社から「住民税決定通知書」という細長い紙を渡されます。多くの人が中身を見ずに引き出しへ放り込みますが、実はこの紙にはあなたの去年の所得・控除・今年の税額のすべてが書かれています。本記事では、住民税決定通知書の見方を項目ごとに解説し、ふるさと納税の反映確認、副業がある人の注意点、間違いを見つけたときの対応までまとめて整理します。
なお、本記事は一般的な仕組みの解説です。税率や控除額の細部は自治体や年度によって異なる場合があるため、最新の正確な情報はお住まいの自治体・国税庁の案内、または税理士にご確認ください。
🧾 住民税決定通知書とは|6月に届く「あの紙」の正体
住民税決定通知書は、お住まいの市区町村が「あなたの前年の所得をもとに、今年度の住民税をいくらに決定したか」を知らせる書類です。正式には「給与所得等に係る市民税・県民税・森林環境税 特別徴収税額の決定通知書」などの長い名称が付いています。
この紙には、前年の所得金額、適用された所得控除、税額控除、そして毎月の給与から差し引かれる住民税額が記載されています。つまり年末調整や確定申告の結果が正しく処理されたかを確認できる唯一の答え合わせの書類なのです。読まずに捨てるのは、答案を見ずにテストを終えるようなものです。
📬 誰にいつ届くのか|会社員と個人事業主で違う
会社員の場合、通知書は自治体から勤務先へ送られ、5月から6月頃に会社経由で本人に配られます。会社員は給与天引き(特別徴収)が原則のため、会社を経由するのが基本ルートです。
一方、個人事業主やフリーランス、退職して無職の期間がある人には、6月頃に自宅へ納付書付きの通知書(普通徴収)が郵送されます。届く経路が「会社経由か自宅直送か」で徴収方法が分かると覚えておくと整理しやすいでしょう。引っ越しした場合は、その年の1月1日時点で住んでいた自治体から届きます。
なお、6月になっても通知書が見当たらない場合、会社で配布が遅れているか、前年の所得が少なく非課税になっている可能性があります。非課税の場合は通知書自体が発行されないこともあるため、気になる人は会社の経理か自治体に確認してみましょう。
🏢 特別徴収と普通徴収の違い
住民税の納め方には2種類あります。違いを表で整理します。
| 項目 | 特別徴収 | 普通徴収 |
|---|---|---|
| 対象 | 主に会社員・公務員 | 個人事業主・無職・退職者など |
| 納め方 | 給与から毎月天引き | 納付書や口座振替で自分で納付 |
| 回数 | 6月から翌年5月の12回 | 原則年4回(一括も可) |
| 通知書の受取 | 会社経由で配布 | 自宅へ郵送 |
| 手間 | 本人の手続き不要 | 納付忘れに注意が必要 |
会社員は原則として特別徴収が義務付けられており、本人の希望だけで普通徴収に変えることは基本的にできません。ただし副業分の住民税に限っては普通徴収を選択できる場合があり、これは後半で詳しく解説します。
💰 住民税の計算の仕組み|前年所得ベースという大原則
住民税の最大の特徴は、前年(1月から12月)の所得をもとに、翌年6月から納める後払い方式であることです。2026年6月から始まる住民税は、2025年中の所得に対して課されます。
所得税が毎月の給与から概算で天引きされ年末調整で精算されるのに対し、住民税は前年の所得が確定してから税額を計算します。だから「去年は稼いだが今年は収入が減った」という人ほど、住民税の負担を重く感じるのです。この時間差を理解しておくだけで、6月の通知書を見たときの混乱はかなり減ります。
⚖️ 所得割と均等割|住民税は2階建て
住民税は「所得割」と「均等割」の2つで構成されます。所得割は前年の所得に応じて課される部分で、一般的に所得に対して市町村民税と道府県民税を合わせた標準的な水準(おおむね1割程度)が広く採用されていますが、正確な税率は自治体によって異なる場合があるため必ずお住まいの自治体で確認してください。
均等割は所得の多寡にかかわらず定額で課される部分で、近年は森林環境税が国税として併せて徴収される仕組みになっています。金額の詳細も自治体の案内で確認しましょう。通知書にはこの2つが分けて記載されているので、内訳を見る習慣をつけると理解が深まります。
📊 通知書の構成|どこに何が書いてあるか
通知書は自治体により様式が多少異なりますが、おおむね「所得」「所得控除」「課税標準」「税額」「納付額」のブロックで構成されています。左側に前年の所得と控除、中央に課税のもとになる金額、右側に毎月の天引き額が並ぶレイアウトが一般的です。
見方の順番はシンプルです。まず所得欄、次に所得控除欄、最後に税額控除欄。この3か所を源泉徴収票と突き合わせるだけで、主要なミスの大半は発見できます。次のセクションから1つずつ確認していきましょう。
あわせて押さえたいのが「摘要欄」です。ここには寄附金税額控除の金額や、その年度特有の減税措置の適用状況などが文字で書き込まれます。数字の欄だけでなく摘要欄まで目を通すと、自分にどの制度が適用されたのかを具体的に把握できます。
🔍 チェック項目1|所得欄が源泉徴収票と一致しているか
最初に確認すべきは「給与収入」と「給与所得」の欄です。前年12月から1月頃に会社から受け取った源泉徴収票の「支払金額」が通知書の給与収入と、「給与所得控除後の金額」が給与所得と一致しているかを見ます。
ここが一致していない場合、会社が自治体へ提出する給与支払報告書に誤りがあるか、複数の勤務先の給与が合算されている可能性があります。所得欄のズレはすべての税額計算が狂う出発点のミスなので、真っ先に確認しましょう。確定申告をした人は、申告書の控えと突き合わせます。
📋 チェック項目2|所得控除が正しく反映されているか
次に所得控除の欄です。年末調整や確定申告で申告した控除が漏れなく反映されているかを確認します。主なチェック対象を表にまとめます。
| チェック項目 | 突き合わせる書類 | 漏れやすい度 |
|---|---|---|
| 扶養控除・配偶者控除 | 源泉徴収票の扶養欄 | 中 |
| 生命保険料控除 | 保険会社の控除証明書 | 中 |
| 地震保険料控除 | 控除証明書 | 中 |
| iDeCo(小規模企業共済等掛金控除) | 掛金払込証明書 | 高 |
| 医療費控除 | 確定申告書の控え | 高 |
| 寄附金税額控除(ふるさと納税) | 寄附受領証明書・ワンストップ申請書 | 高 |
注意点として、所得控除の金額は所得税と住民税で計算上の控除額が異なるものがあるため、源泉徴収票の数字と完全一致しない項目もあります。「適用されているか(ゼロになっていないか)」を見るのが実務的なチェック方法です。
👪 扶養控除・配偶者控除の確認ポイント
扶養親族の人数が通知書に正しく反映されているかを見ます。年末調整の書類で記入漏れがあったり、子どもの就職やアルバイト収入の増加で扶養から外れたりすると、想定より税額が増えることがあります。
逆に、扶養に入れられる親族(別居の親に仕送りしている場合など)を申告し忘れているケースも少なくありません。扶養控除は1人分で住民税が数万円単位で変わりうる影響の大きい控除です。家族構成が変わった年は特に念入りに確認しましょう。
🛡️ 生命保険料控除・地震保険料控除の確認
毎年秋に保険会社から届く控除証明書を年末調整で提出していれば、通知書の生命保険料控除欄に金額が入っているはずです。空欄やゼロになっていたら、提出漏れか処理漏れの可能性があります。
提出を忘れた場合でも、確定申告(または還付申告)をすれば後から控除を受けられる場合があります。「証明書を出し忘れた年の分は取り戻せる可能性がある」と知っているだけで、数千円から数万円の差になることがあります。手続きの詳細は税務署や自治体で確認してください。
🏦 iDeCoの掛金は反映されているか
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除の対象になります。通知書の該当欄に年間掛金の合計が入っているか確認しましょう。
年末調整で掛金払込証明書を出し忘れると、この控除がまるごと抜け落ちます。毎月2万円なら年24万円の控除が消える計算で、住民税と所得税を合わせた影響は決して小さくありません。iDeCo加入者は通知書チェックの最重要ポイントの1つです。
🎁 チェック項目3|ふるさと納税の寄附金税額控除
ふるさと納税をした人にとって、6月の通知書は「控除がちゃんと効いたか」を確認できる年に一度の答え合わせです。ふるさと納税の控除は、住民税では「寄附金税額控除」として税額から直接差し引かれる形で反映されます。
通知書の摘要欄や税額控除欄に「寄附金税額控除」の金額が記載されているかを見てください。様式によっては市民税分と県民税分に分かれて記載されます。ここが空欄なら、ワンストップ特例や確定申告の手続きに不備があった可能性があります。
🧮 ふるさと納税の控除額を確認する手順
確認手順はシンプルです。第一に、前年の寄附総額から自己負担分の2千円を引いた金額をメモします。第二に、通知書の寄附金税額控除(市民税+県民税)の合計を見ます。第三に、確定申告をした人は所得税側でも控除(還付)があるため、住民税分と所得税分の合計が「寄附額マイナス2千円」におおむね近いかを確認します。
ワンストップ特例を使った人は、原則として全額が住民税側から控除されるため、通知書の寄附金税額控除だけでおおよそ「寄附額マイナス2千円」に近い金額になります。端数処理や上限超過があるため厳密一致はしませんが、大きくズレていたら要確認です。
❗ ふるさと納税が反映されていない主な原因
反映漏れの典型パターンは次の通りです。ワンストップ特例の申請書を出し忘れた、または期限(翌年1月上旬)に間に合わなかった。ワンストップ申請後に確定申告をして特例が無効になったのに、申告書に寄附金控除を書き忘れた。申請書の住所と1月1日時点の住所が異なっていた。寄附の名義が家族になっていた。
特に多いのが「医療費控除のために確定申告をしたらワンストップが無効になっていた」パターンです。確定申告をする年は、ふるさと納税も必ず申告書に記載する必要があります。
📞 反映されていないときの問い合わせ先
控除が反映されていない場合、問い合わせ先はお住まいの市区町村の住民税担当課(市民税課など)です。寄附先の自治体ではなく、自分が住んでいる自治体である点に注意してください。
手元に寄附受領証明書と通知書を用意して電話すれば、反映状況を確認してもらえます。申告漏れが原因なら、確定申告(または更正の請求・住民税の申告)で後から控除を受けられる場合があります。期限や手続きは状況により異なるため、自治体と税務署の案内に従ってください。詳しい制度の全体像はふるさと納税の最新ガイドでも解説しています。
💼 副業がある人の注意点|住民税が増える仕組み
副業で所得が出ると、本業の給与所得と合算されて住民税が計算されます。所得割は所得に応じて増えるため、副業の利益が増えた翌年の6月から住民税の天引き額が増えるのが基本の流れです。
ここで重要なのが時間差です。副業で稼いだ年ではなく、その翌年に住民税が増えます。「今年は副業を減らしたのに住民税が高い」という違和感は、前年の所得に課税される仕組みを思い出せば解消します。副業収入がある人ほど、6月の通知書で所得欄の内訳を確認する価値があります。
🕵️ 会社に副業が知られる経路としての住民税
「副業が会社にバレる」最も知られた経路が、この住民税です。特別徴収では、会社の経理担当者に従業員ごとの住民税額の通知が届きます。給与水準のわりに住民税が高い社員がいると、給与以外の所得があることが推測されうるのです。
通知書の様式上、所得の内訳がどこまで見えるかは自治体や圧着式の様式によって異なりますが、税額の多寡そのものは経理に伝わります。就業規則で副業が認められているかをまず確認し、申請が必要なら正面から手続きするのが結局は最も安全です。
✍️ 副業分を普通徴収にする選択と落とし穴
副業が給与所得以外(雑所得や事業所得など)の場合、確定申告書の住民税に関する事項で「自分で納付(普通徴収)」を選択すると、副業分の住民税を自宅に届く納付書で納められる場合があります。これにより本業の天引き額には副業分が上乗せされず、会社経由の通知に副業の影響が出にくくなります。
ただしこれは「副業を隠すための完全な手段」ではありません。あくまで納付方法の選択であり、適用の可否は自治体の運用によります。申告書の記入方法や注意点は副業の確定申告と節税の記事で詳しく解説しています。
さらに注意したいのは、副業が「給与所得」(アルバイトなど給与として受け取る形)の場合、普通徴収を選べないのが原則という点です。給与所得は特別徴収で合算するのが基本ルールのため、ダブルワークのバイト収入は本業の天引きに合算されやすくなります。
また、雑所得などで普通徴収を選んだつもりでも、自治体の処理で特別徴収に合算されてしまう事例も報告されています。心配な人は申告後の5月頃に自治体へ電話し、「副業分が普通徴収になっているか」を確認しておくと確実です。6月の通知書で天引き額を見て初めて気づくのでは遅い場合があります。
😱 「住民税が高い」と感じる主な理由
検索でも多い「住民税 高い なぜ」という疑問には、いくつかの典型的な答えがあります。第一に前年所得ベースの後払いであること。第二に、所得税のような累進の低い税率帯がなく、所得割が広い所得層に同じような水準でかかること。第三に、6月の最初の月だけ端数調整で天引き額が他の月より多くなる様式が一般的なことです。
「6月だけ給料の手取りが減った」と感じたら、まず通知書の月割額の欄を見てください。6月分だけ数百円から数千円多く、7月以降は均等という設計になっていることが多いはずです。
また、給与明細では住民税と同時に社会保険料も引かれているため、「税金が高い」という体感には両者が混ざりがちです。通知書で住民税の正確な金額を把握すれば、何にいくら払っているのかを切り分けて考えられるようになり、対策の優先順位も見えてきます。
🔄 前年に退職・転職した人は税額が急に「見える」
退職して無職になった人や、転職の谷間がある人には、住民税の納付書が自宅に届きます。在職中は天引きで意識しなかった金額を、まとまった納付書で初めて「見る」ことになり、急に高くなったと錯覚しがちです。実際は前年の所得に対する税額で、金額の根拠は変わっていません。
退職した年の翌年は、収入が減っていても前年の給与に対する住民税を払う必要があります。退職や独立を計画している人は、翌年の住民税分の資金をあらかじめ確保しておくのが鉄則です。
退職時には、残りの住民税を最後の給与や退職金から一括徴収するか、普通徴収に切り替えて自分で納めるかを選ぶ場面があります(退職時期により扱いが異なります)。転職先が決まっている場合は、手続きをすれば特別徴収を引き継げることもあるため、退職前に経理へ確認しておくと安心です。
🌸 新社会人や2年目で急に引かれ始める理由
新社会人の1年目に住民税がほとんど引かれないのは、前年(学生時代)の所得が少ないからです。そして2年目の6月から、1年目の給与に対する住民税の天引きが始まります。「2年目なのに手取りが減った」という定番の驚きの正体がこれです。
昇給額より住民税の増加が大きいと、手取りが前年並みかわずかに減ることすらあります。これは制度上の仕様であってミスではありません。2年目の6月の通知書は、社会人として初めての本格的な住民税の明細です。捨てずに一度読んでみることをおすすめします。
🛠️ 間違いを見つけたときの対応手順
通知書にミスらしき点を見つけたら、段階を踏んで対応します。まず源泉徴収票・控除証明書・確定申告書の控えなど根拠書類を揃え、どの欄がどう違うかを特定します。思い込みのケースも多いので、「何の数字が」「いくら違うか」を言語化してから問い合わせるのがポイントです。
原因が会社の給与支払報告書にありそうなら会社の経理へ、申告内容や自治体の処理にありそうなら市区町村の住民税担当課へ連絡します。税額が誤っていた場合は、再計算のうえ変更通知書が発行され、天引き額が修正されるのが一般的な流れです。
🏛️ 自治体窓口と会社の経理、どちらに相談するか
自治体への問い合わせは、通知書に記載された担当課の電話番号にかけるのが最短です。通知書の整理番号・宛名・該当の欄を手元に置いて話すとスムーズに進みます。窓口に行く場合は本人確認書類も持参しましょう。
6月は問い合わせが集中する繁忙期です。電話がつながりにくいときは、時間帯をずらすか、自治体サイトの問い合わせフォームを使う手もあります。「間違いの指摘」ではなく「確認のお願い」として聞くと、こちらの勘違いだった場合も気まずくなりません。
一方、給与収入の金額そのものが源泉徴収票と違う場合や、年末調整で出した書類が反映されていない場合は、会社の経理・人事に確認します。給与支払報告書の提出ミスや、年末調整のデータ処理漏れが原因のことがあるためです。
会社側のミスと判明した場合は、会社から自治体へ訂正の報告を出してもらう流れになります。自分で自治体と会社の間を仲介するより、原因のある側に訂正してもらうのが正しいルートです。遠慮せず事実ベースで伝えましょう。
💡 住民税を安くする合法的な方法の全体像
住民税を直接「値切る」ことはできませんが、控除を最大限活用して課税所得を圧縮することは誰でもできる合法的な節税です。代表的な手段は、ふるさと納税(実質負担2千円で税額控除)、iDeCo(掛金全額が所得控除)、生命保険料・地震保険料控除、医療費控除、配偶者・扶養控除の適正な申告です。
怪しい節税テクニックを探すより、すでにある控除の取りこぼしをゼロにするほうが確実で再現性があります。次のセクションで取りこぼしチェック表を用意しました。
また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別税額控除)は、所得税から引き切れなかった分が一定の範囲で住民税からも控除される仕組みがあります。住宅を購入した人は、通知書の税額控除欄や摘要欄にその記載があるかも確認しておくとよいでしょう。適用条件の詳細は国税庁・自治体の案内で確認してください。
🎯 ふるさと納税は住民税対策の第一候補
ふるさと納税は、自己負担2千円で寄附額に応じた返礼品を受け取りつつ、翌年の住民税(と所得税)から控除を受けられる制度です。上限額は所得や家族構成で決まるため、シミュレーターで自分の目安を確認してから寄附するのが基本です。
6月の通知書はこの制度の「成績表」です。寄附したのに控除欄が空欄なら手続きミス、上限を超えて寄附していれば自己負担が2千円を超えます。毎年6月に答え合わせをして、翌年の寄附計画に反映させるサイクルを作りましょう。
📉 控除の取りこぼし防止チェックリスト
年末調整・確定申告でよくある取りこぼしを表にしました。1つでも心当たりがあれば、過去分も含めて取り戻せる可能性があります(手続き可否と期限は税務署・自治体で確認)。
| 取りこぼしやすい控除 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| iDeCo掛金 | 払込証明書の提出忘れ | 還付申告で遡って適用できる場合あり |
| 生命保険料控除 | 証明書の紛失・出し忘れ | 再発行を依頼し申告 |
| ふるさと納税 | ワンストップ無効・申告漏れ | 自治体へ確認のうえ申告で是正 |
| 医療費控除 | 「面倒だから」と未申告 | 領収書を集計し還付申告 |
| 扶養控除 | 別居親族の申告漏れ | 要件を確認して申告 |
| 障害者控除・寡婦控除等 | 制度を知らない | 該当要件を自治体で確認 |
控除の取りこぼしは「申告しなければ誰も教えてくれない」のが原則です。自治体や税務署が自動で適用してくれる控除はごく一部だと心得ておきましょう。
📝 通知書を確認しない人が陥る典型的な失敗
最も多い失敗は「ふるさと納税が反映されていないことに何年も気づかない」パターンです。ワンストップ申請の不備で控除が消えていても、通知書を見なければ永遠に気づけません。実質2千円のはずが、ただの全額自腹の寄附になっていたという笑えない事例は珍しくないのです。
次に多いのが、iDeCoや保険料控除の反映漏れ、扶養人数の誤りの放置です。どれも通知書を5分眺めるだけで発見できるものばかり。年に一度の答え合わせを習慣にするだけで、累計では数万円から数十万円の差になりえます。
🗓️ 6月の5分チェックと年間の節税サイクル
通知書を受け取ったら、次の順に確認します。手順1、源泉徴収票を出してきて給与収入・給与所得の一致を確認。手順2、所得控除欄でiDeCo・保険料・扶養の反映を確認。手順3、税額控除欄でふるさと納税の寄附金税額控除を確認。手順4、月割額と6月分の金額を確認して家計簿に反映。手順5、違和感があれば自治体か経理へ連絡。
これだけです。所要時間はわずか5分、リターンは取りこぼしの早期発見。通知書は捨てずに、源泉徴収票とセットで保管しておくと翌年以降の比較にも使えます。
また、ふるさと納税やiDeCoによる控除は、効果が翌年6月からの住民税に現れます。つまり今年の行動が来年の手取りを決める構造です。毎年6月の通知書で効果を検証し、年内の控除計画を立て直すというサイクルを回せば、節税は一度きりのテクニックではなく仕組みになります。
副業をしている人は、経費の計上や青色申告の活用も合わせると効果が大きくなります。所得税と住民税はつながっているため、確定申告の精度を上げることがそのまま住民税対策になるのです。
🧭 まとめ|6月の「あの紙」は読む価値がある
住民税決定通知書は、前年の所得・控除・今年の税額が一枚に凝縮された、年に一度の答え合わせの書類です。見るべきは3点だけ。所得欄が源泉徴収票と一致しているか、所得控除(扶養・保険料・iDeCo)が反映されているか、ふるさと納税の寄附金税額控除が入っているか。
副業がある人は、住民税が会社に副業を推測される経路になりうることと、普通徴収の選択肢も押さえておきましょう。今年の6月は、捨てる前に5分だけ通知書と向き合ってみてください。なお、個別の税額や手続きの判断は、必ずお住まいの自治体・税務署・税理士にご確認ください。
❓ よくある質問
Q1. 住民税決定通知書をなくしてしまいました。再発行できますか?
通知書そのものの再発行は行っていない自治体が多いですが、記載内容を証明する書類として「課税証明書(所得証明書)」を自治体窓口やコンビニ交付で取得できます。住宅ローンや保育園の手続きで税額の証明が必要な場合は、課税証明書で代用できることがほとんどです。詳細はお住まいの自治体に確認してください。
Q2. ふるさと納税の控除額が思ったより少ないのですが、ミスでしょうか?
確定申告をした人は、控除が所得税(還付)と住民税(税額控除)に分かれるため、住民税側だけ見ると少なく見えます。両方の合計で「寄附額マイナス2千円」に近いかを確認してください。また、上限額を超えて寄附した分は自己負担になります。それでも合わない場合は自治体の住民税担当課へ問い合わせましょう。
Q3. 副業の住民税を普通徴収にすれば、会社に絶対バレませんか?
絶対とは言えません。普通徴収の選択は雑所得・事業所得などが対象で、給与所得の副業には原則使えません。また自治体の処理によって特別徴収に合算される事例もあります。確実性を求めるなら、申告後に自治体へ徴収方法を確認すること、そして根本的には就業規則の確認と会社への申請が最も安全です。
Q4. 退職して収入がないのに住民税の納付書が届きました。払わないとダメですか?
住民税は前年の所得に対する課税なので、現在無収入でも前年に所得があれば納付義務があります。ただし、失業や災害などで納付が困難な場合は、減免や徴収猶予の制度を設けている自治体があります。放置すると延滞金の対象になりうるため、払えない場合こそ早めに自治体へ相談してください。
Q5. 通知書の内容が正しいかどうか、自分で判断できる自信がありません。
完璧な検算は不要です。源泉徴収票と並べて「収入・所得の数字が一致しているか」「申告した控除の欄が空欄になっていないか」「ふるさと納税の控除が入っているか」の3点だけ見れば十分です。それでも不安な場合は、通知書と源泉徴収票を持って自治体窓口で聞けば説明してもらえます。
📖 用語集
住民税決定通知書
市区町村が決定した年度の住民税額を本人に知らせる書類。会社員には5月から6月頃に勤務先経由で配布され、前年の所得・控除・月々の天引き額が記載される。
特別徴収
会社が従業員の給与から住民税を毎月天引きし、本人に代わって自治体へ納める方式。会社員は原則この方式で、6月から翌年5月の12回に分けて納付する。
普通徴収
自治体から送られる納付書や口座振替で、本人が直接住民税を納める方式。個人事業主・退職者などが対象で、原則年4回の分割払い。副業分のみ選択できる場合がある。
所得割
住民税のうち、前年の所得金額に応じて課される部分。課税所得に税率を掛けて計算される。税率の正確な水準は自治体で確認が必要。
均等割
住民税のうち、所得の多寡にかかわらず定額で課される部分。一定以上の所得がある住民に広く課され、近年は森林環境税が併せて徴収される。
所得控除
所得から差し引いて課税対象を減らす控除。扶養控除、生命保険料控除、小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)、医療費控除などがあり、課税所得を小さくする効果がある。
税額控除
計算された税額から直接差し引かれる控除。所得控除より節税効果がダイレクトに効く。ふるさと納税の寄附金税額控除や住宅ローン控除(住民税分)が代表例。
寄附金税額控除
ふるさと納税などの寄附に対して住民税額から差し引かれる控除。通知書の税額控除欄や摘要欄に記載され、ふるさと納税の反映確認はこの欄を見る。
源泉徴収票
会社が発行する、1年間の給与収入・所得・控除・源泉徴収税額をまとめた書類。住民税決定通知書の答え合わせに使う最重要書類で、毎年12月から1月頃に交付される。
ワンストップ特例制度
確定申告をしなくても、寄附先自治体への申請だけでふるさと納税の控除を受けられる制度。寄附先が5自治体以内などの条件があり、確定申告をすると無効になる点に注意。